更新しなくなって久しいが、いかがお過ごしだろうか。
頭の整理も兼ねて、今日は珍しく仕事の話しを。

2014年8月1日(金)、私が心血を注いだプロジェクトが世に放たれた。

Clearasil×KAGEROU PROJECT
http://kagerou.clearasil.jp

Clearasil(クレアラシル)やKAGEROU PROJECT(以下カゲプロ)については説明はあえて割愛する。
ぜひ、それぞれをWikiなどで調べてみてほしい。

大変光栄なことにこのプロジェクトは、日経デジタルマーケティングAdverTimesなどにも取り上げられ、AdGangなどさまざまな場所でブックマークされたり、関係者による考察のようなポストもされている。

このプロジェクトにおいて、私はディレクターとして動いた。
いろいろなことを書かれているが、ディレクターとして、このプロジェクトについて書こうと思う。
以下、非常に長文だ。ご容赦いただいた上で、一読いただければ光栄だ。

1. ユーザー目線
言わずもがな、今回のターゲットは若年層であり、カゲプロファンだ。
私が中学生・高校生のときとは時代が違う。彼らにはスマホがある。
でもこれだけは当然のこととしてわかる。

「広告とかマジでうぜえ」

昨年高校生とグループインタビューという、なぜだか犯罪をしているような気持ちにさせてもらった体験も踏まえ、1つめは、この気持ちを乗り越えることだった。

「今回はカゲプロだから大丈夫」

そんなことはない。もちろん、それだけでもある程度はいけるだろうとは思った。
でもクライアントに求められていたことも、我々が求めていたこともそんなもんじゃない。
やるからにはユーザーに楽しんでもらいたい。

だからまずは、徹底的にカゲプロのことを勉強した。Wikiやニコ動をディグし、さらには経費という、会社員が持つ大人の権力をふんだんに活用し、さまざまな書籍を購入した。
気づけばカゲプロのファンになっていたわけで、アニメは毎週見ていたし、今でも小説や漫画の続刊を心待ちにしている。

IPとのコラボにおいてユーザー目線になるには、ファンになることが第一歩だ。
そして、版元さんを信じることだ。ファンのことをいつだって一番大切に思って、理解しているのは版元さんなんだ。

2. 100%デジタルというチャレンジ
言葉でいうと、「Webに予算投資ってこと?」という話しだが、そんな単純な話しではない。
商品が店頭にならぶまでには、さまざまなやりとりがある。
かんたんに言えば「これは売れる」と思ってもらわなければいけない。

わかりやすい指標だとGRPやTRPなんだろうか。どれだけの人が、商品や取組みを知っているのかという指標で、これをデジタルの露出で試算することもできるのだが、いま現在においてはほぼ意味を成していないと言える。

なんで意味を成してないの?って思うかたは、あなたがWebなんかにあまり興味もない、コンビニ店長だったらと思うと考えて欲しい。

営業A「うちの商品はゴールデンタイムにばしばしCM出しますよ!」
営業B「うちの商品はYoutubeやニコニコでめっちゃCM出しますよ、GRPもすごいんです!」

私は元々板前で、超アナログ人間だったからわかる。後者には混乱するだけだ。

営業用の資料・映像、店頭POP、アテンションステッカー、マストバイCP、ARコンテンツ、記者会見、PR戦略、Webサイト、WebCM、特典映像等々…。最終的な購買に至るまで一本筋の戦略をたて、いろいろなものを制作した。

「これは売れる」というイメージにおいて、デジタルは難しく、マスは簡単だ。これは当分変わらないんだろう。
このプロジェクトにおいてビジネスとしての一番の成果は、デジタルのみで多少なりいろんなところを巻き込んでいけたことだと思っている。

3. (マーケティング戦略+PR戦略+広告戦略)+(IP×クリエイティブ)
戦略におけるフレームワークはZMOT+FMOTを軸にした非常にシンプルなものだった。
ただ私は、フレームワークってのはプロジェクトの活動指針であり、共通認識を持って進めるためにあるものだと思っており、その上をどのように味付けしていくかが非常に重要であると考えている。

フレームワークに沿ったガチガチのものを作るだけでもだめで、ただおもしろいものを作るだけもだめ。
そう考えると、今回はこのような計算式だったんではないかと思う。

(マーケティング戦略+PR戦略+広告戦略)×(IP×クリエイティブ)

かけ算を起こせるのは2カ所だ。そして足し算ではなくかけ算にするためには、ユーザー目線、IPへの理解、それを踏まえた最高のクリエイティブが必要だ。

今回、Webサイトをはじめアニメーション映像、店頭ツール、グッズ、リアルイベント等、様々なクリエイティブにおいて最高の制作者さんが関わってくれた。
アウトプットに対して、版元さんも最適な助言をくれた。
そのすべてが、ユーザーからの声へと跳ね返ったんだと思う。

4. ディレクターとして
まずディレクターって何?って話しだ。
directorって単語をGoogle翻訳なんかかけて直訳すると、出てくる意味候補がすべて、なんだか偉そうだ。
しかし私はただの平社員だ。生活水準も低い。公私ともにまったく偉くない。
偉そうな直訳の中から、この単語だけは唯一しっくりくる。そう、「演出」なのである。

このプロジェクトでは、さまざまなプロフェッショナルが携わった。
マーケティングのプロであるクライアントをはじめ、企画戦略のプロ、広告設計のプロ、PR戦略のプロ、店頭PRのプロ、アニメーション制作のプロ、Web制作のプロ、イベント運営のプロ…等々。

「演出」というのはそれらのプロに偉そうに口を出すのではなく、彼らが120%の力を出せるために、最高の舞台を用意することだと思っている。
プロだってときには道を間違えるから、道を間違えないように誘導する。賛同もすれば時には否定もする。その裏には、100%の尊敬と信頼がある。
そして、最後の責任はすべて、ディレクターである自分がとるということである。

最後に
長々書いてしまったが、まったくもって書ききれないのである。(どーん)
そもそも核心は当然ながら立場上書けないし、あえて書かないってのもある。

ここで言いたかったのは、たくさんの優秀な人が関わっていたからこそ成り立ったもので、誰か一人の力では決してないということ。そして、死にそうになりながらもメインディレクターとしてそんな人たちとプロジェクトすべてにおいて一緒にやれたことへの感謝です。

デジタルマーケティングという言葉が流行って1、2年だろうか。
このプロジェクトを通して、個人的にデジタルマーケティングっていうのは、これから2極化していくと思っている。
その話しは、まだナイショ。

関係各位へ、最大の感謝を込めて。